変わったこけし 15

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千趣会・日本民族こけしたち

マニアックな物を出してくるので自分たちはいつも注目している業者のKさんがある日、こんど昔人形を作っていた女の人の家から物を出す、という話をした数週間後、その荷物はある日のフリマ会場のKさんのブースにあふれ出たのだった。それは千趣会の世界民族こけしの衣装に使われていた様々なカラフルな布切れやリボンや金糸銀糸の塊で、ダース単位状態でたくさんのダンボールにぐちゃぐちゃにつめこまれていたのだった。よく見るとその中にエスキモーのこけしに使われた小さな魚の小物のパーツや何に使われたのか小さなつづみや扇子がそれぞれビニールにたくさんつめこまれたりしている。その合間合間に民族こけしがチラホラ入っているのが見えて、製作途中のものなのか完成品らしきものなのかそんなこけしの複数が布の間や下につっこまれていて、まるで宝探しゲームのように箱に手をつっこみゴソゴソしながらこけしを掘り当て、自分もいくつかを手にいれたのだった。プチ興奮もさめやらぬ翌週のフリマで、今度は別の業者がまた同じようにダンボールにこけしをつめこみブースを出していて、話によればKさんが業者の市場に出した荷物を買った別の業者が売りに出していたのだった。そんなこんなで、手に入れる限りのものは買い集めたのだが・・・

千趣会の世界民族こけしの、いわば日本史編だ。かって世界民族こけしの日本を手に入れたとき、あまりのファニーなジャパネスクぶりに、プチがっかりし興ざめしていた自分には、目からうろこの、驚愕の素晴らしいつくりのこけしたちだ。様々なキャラや職業のスタイルやその着物の柄のアラベスクぶり。。なんて素敵な色使いと柄なのだろう。。日本や日本人の美というものを過去の歴史の中に想像の絵筆をすべらせていけば、こんなこけしたちが出来上がる。

部品が取れていたり壊れているものも混ざってるし、なによりこれが完成品かどうかも検証できるすべは無いのだが、そんなことイメージで補ってあまりある美しいこけしたちといえないだろうか。首だけのパーツや製作途中のこけしもどれもこれも楽しいしやっぱり彩色に目を見張る。落ち着いてまた見やれば・・・あーやはりそして男も女も美しい。歴史の中で誰もかれも美しい。